Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいこん

だいこん

久生 十蘭

Leggi だいこん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 153.732 caratteri · 303 schermate

Aozora Bunko

あたしはそのジープのそばへ行った。

「モースーメさん」

「あなた山チイのところへ電話かけたの」

「それは、なんのことでしゅ」

ハガアスさんはまだあたしの手紙を見ていないんだ。たぶんミス・アマミヤの行方を根気よく探しているのだろう。

「なんでもない。じゃ、せっかくお仕事をなさい。調印式がすんだら、また」

「はい、そうでしゅ」

手筈がきまったのだとみえて、海兵隊が一斉にジープに乗った。フレッドさんはあたしにちょっとうなずいてみせ、三台目のジープへおさまると、それですぐ先頭のから気ぜわしいようすで走りだし、縦隊をつくって仲よくピョンピョン跳ねながら大急ぎで坂をくだって行った。

あのひとたちもどうかしている。軍ならなにをしてもよかった無軌道な戦国時代ではない。占領作戦という新しい秩序のもとに置かれていることを忘れている。下手に武器を持って集結したりしたら、ポツダム条約違反でどんなことになるか考えなかったのだろうか。先任参謀がうちの賢夫人とどう折れあったのかしらないけど、応接間から出てきたときの顔はたしかに諒解した顔だった。あれからすぐ行って解散させたのだったらいいけど、そうでなかったら困ったことになるかもしれない。