Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ちくしょうだに

ちくしょう谷

山本 周五郎

Leggi ちくしょう谷 (ちくしょうだに) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.788 caratteri · 138 schermate

Aozora Bunko

そのうえ雨の音にまじって、戸外から女たちの声が聞えて来、とだえたかと思うとまた聞えて来る。現実のものかそら耳か、雨の音が邪魔ではっきり区別はつかなかったが、隼人が眠りつくまで、その声は断続して聞えていたようであった。

そういうことがあったため、雨の夜でも立番は欠かさなかったが、女たちがあらわれるときには、あとから必ず正内老人も来た。老人は立番の者を去らせ、女たちが騒ぎ疲れるのを待って、なだめすかしながら伴れ戻る。中にはひどく暴れ狂い、夜の明けるまで柵にしがみついているような者もあるが、老人は辛抱づよく、なにも云わずに側で見ている。そして、女がすっかり精をきらせて、声をあげることもできなくなるまで、待っているのであった。

「どんなに威しても、力ずくでもだめです」とのちに老人は云った、「――ああして暴れたり、喚き叫んだりしているうちに、女たちの血もしずまるのでしょう、二た晩か三晩も続ければ、それで次のめぐりまでおさまっているようです」

これは女たちの、生理的な波に強く支配されるらしい。またその波は互いに共鳴することが多く、騒ぎだすときには幾人かが同時にそういう状態になり、しずまるときも同時にしずまるようである、と老人は云った。