Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちゃん

ちゃん

山本 周五郎

Leggi ちゃん di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.377 caratteri · 45 schermate

Aozora Bunko

「十日戎の売り物は」重吉は鼻声で低くうたいだした、「――はぜ袋に、とり鉢」

「わあ、またおんなじ唄だ」とお芳がはやしたてた、「おんなじ唄で調子っぱじゅえだ」

「芳坊」とおつぎがたしなめた。

「いいよ、芳坊の云うとおりだ」重吉はきげんよく笑った、「ちゃんの知ってるのは昔からこれだけだ、おまけに節ちがいときてる、こんなに取柄のねえ人間もねえもんだ、なあ」

良吉が帰って来たときにはすっかり酔って、勘定はゆうべみんな飲んじまったぞ、などといばっていた。それからまもなく横になり、なにかくだを巻いているうちに眠りこんだ。自分ではまだしゃべっているつもりで、ひょっと眼をさますと、行燈が暗くしてあり、みんなの寝息が聞えていた。――彼は着たままで、それでもちゃんと夜具の中だったし、彼により添って亀吉が眠っていた。隣りの家で誰かの寝言を云う声がし、表通りのほうで犬がほえた。

重吉はじっとしたまま、かなり長いこと、みんなの寝息をうかがっていて、それから静かに夜具をぬけだした。亀吉はびくっとしたが、夜具を直し、そっと押えてやると動かなくなった。重吉はあたりを眺めまわし、口の中で「手拭ひとつでいいな」