Classici giapponesi con furigana
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つぼみ
つぼみ
宮本 百合子
Leggi つぼみ di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.918 caratteri · 44 schermate
ひょっと何と云う事なしにきづいて今日花を見るとその小さい可愛い花はみんなしぼんでしまって居た。
「オヤもうしぼんでしまった……そうそうあの虫はどうしたろうかしらん」
こんな事を云ってはじから御丁寧にようじのさきでしぼんだ花の中を一つ一つのぞいて見たけれども一つでおしまいになると云うまで虫は入って居なかった。
「とうとう居ないのかもしれない」
こんな事を思いながら御土産のつづらをあけるようにそっとようじのさきでひらいて見ると思いがけなく茶色の小虫はころっとなって入って居た。
私はみ入られたようにいつまでもこれを見て居た。
イキなり、ほんとにいきなり小虫はからだに似合わない強い力のこもった羽音をたてて人を馬鹿にしたように青空にとんでってしまった。
私は生きながら花にとらわれて居た羽虫ときっと一匹ずつの羽虫の御宿をして居た花とは前の世からキッシリと何かの糸で結いつけられて居たんじゃあないかと思われた。
埋立地にて
私は、私の見たがらないいろんなきたないまわりのものをなるたけ目に入れないようにと両手で頬をおさえて左と右に見えるほしもの台やそこにかかって居る着物の色なんかを見えなくした。