Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つぼみ

つぼみ

宮本 百合子

Leggi つぼみ di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.918 caratteri · 44 schermate

Aozora Bunko

口を一こときくごとに御仙さんは私になじんで来た。私は自分が年下のくせに十六の人を妹のように思ったりもてなしたりして居るのがふき出したいほどおかしかった。

私は東京のさわがしいことから人の様子から言葉つきから御丁寧にその人達のだれにでも有りがちなくせまではなした。

「せわしそうなところやなあ、京都はほんまにしずかどっせ、ほんまに」

もう東京のせわしさにつかれたように小さい声でこんな事を云った。

「京都ではふだんでも日傘をさしてますか。あの紙でつくった」

「さしまっせ。私なんか御師匠はんとけいくにいつでもさしてますワ、模様をたんとかいてナ」

「貴女何ならってらっしゃるの」

「鼓と琴と茶の湯と花と」

「マア、そんなにならって一日の内にみんななさるの」

私は自分にくらべて随分いろんな事をするもんだと思ったんでこんな事をきいた。

「そうやなも、気の向かんときは行かんけど……」

「皆すきなものばっかりなの」

「すききらい云うて云わねんと母さんが云いやはるさかえ」

御仙さんと私はこんな事を云って居た。段々夕方の暗さが深くなって来て部屋に電気がついた時、

「家にかえりとうなってしもうた」