Classici giapponesi con furigana
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
Leggi ドグラ・マグラ di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 424.847 caratteri · 824 schermate
けれども室の中は隅々までガランとして、鼠一匹見えなかった。
……不思議だ……。
明るい秋の朝の光線が、三方の窓から洪水のように流れ込んで、数行に並んだ標本棚の硝子や、塗料のニスや、リノリウムの床に眩しく反射しつつ静まり返っている。
……チチチチチチチ……クリクリクリクリクリクリ……チチ……
という小鳥の群が、松の間を渡る声が聞えるばかり……。
……おかしいな……と思って、読んでしまった遺言書をパタリと伏せながら、自分の眼の前を見るともなしに見ると……ギョッとして立ち上りそうになった。
私のツイ鼻の先に奇妙な人間が居る……最前から、若林博士が腰かけているものとばかり思い込んでいた、大卓子の向うの肘掛廻転椅子の上に、若林博士の姿は影も形もなく消え失せてしまって、その代りに、白い診察服を着た、小さな骸骨じみた男が、私と向い合いになって、チョコナンと座っている。
それは頭をクルクル坊主に刈った……眉毛をツルツルに剃り落した……全体に赤黒く日に焦けた五十恰好の紳士であるが、本当はモット若いようにも思える……高い鼻の上に大きな縁無しの鼻眼鏡をかけて……大きなへの字型の唇に、火を点けたばかりの葉巻をギュッと啣え込んで、両腕を高々と胸の上に組んで反りかえっている……骸骨ソックリの小男……それが私と視線を合わせると、悠々