Classici giapponesi con furigana
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かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Leggi 一房の葡萄 (かじとポチ) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 23.753 caratteri · 48 schermate
「葦さん、ぼくは大変な事をしたねえ、いたいだろう」
と申しますと葦は悲しそうに、
「それはすこしはいたうございます」
と答えます。燕は葦がかわいそうですからなぐさめて、
「だっていいや、ぼくは葦さんといっしょに冬までいるから」
すると葦が風の助けで首をふりながら、
「それはいけません、あなたはまだ霜というやつを見ないんですか。それはおそろしいしらがの爺で、あなたのようなやさしいきれいな鳥は手もなく取って殺します。早く暖かい国に帰ってください、それでないと私はなお悲しい思いをしますから。私は今年はこのままで黄色く枯れてしまいますけれども、来年あなたの来る時分にはまたわかくなってきれいになってあなたとお友だちになりましょう。あなたが今年死ぬと来年は私一人っきりでさびしゅうございますから」
ともっともな事を親切に言ってくれたので、燕もとうとう納得して残りおしさはやまやまですけれども見かえり見かえり南を向いて心細いひとり旅をする事になりました。
秋の空は高く晴れて西からふく風がひやひやと膚身にこたえます。今日はある百姓の軒下、明日は木陰にくち果てた水車の上というようにどこという事もなく宿を定めて南へ南へとかけりましたけれども、容易に暖かい所には出ず、気候は一日一日と寒くなって、大すきな葦の言った事がいまさらに身にしみ