Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

さんしろう

三四郎

夏目 漱石

Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate

Aozora Bunko

石段を降りて、首を延ばしてその辺を見回したが影も形も見えない。やむを得ず引き返した。もとの席へ来てみると、与次郎が、例のヘーゲル論をさして、小さな声で、

「だいぶ振ってる。昔の卒業生に違いない。昔のやつは乱暴だが、どこかおもしろいところがある。実際このとおりだ」とにやにやしている。だいぶ気に入ったらしい。三四郎は

「野々宮さんはおらんぜ」と言う。

「さっき入口にいたがな」

「何か用があるようだったか」

「あるようでもあった」

二人はいっしょに図書館を出た。その時与次郎が話した。――野々宮君は自分の寄寓している広田先生の、もとの弟子でよく来る。たいへんな学問好きで、研究もだいぶある。その道の人なら、西洋人でもみんな野々宮君の名を知っている。

三四郎はまた、野々宮君の先生で、昔正門内で馬に苦しめられた人の話を思い出して、あるいはそれが広田先生ではなかろうかと考えだした。与次郎にその事を話すと、与次郎は、ことによると、うちの先生だ、そんなことをやりかねない人だと言って笑っていた。

その翌日はちょうど日曜なので、学校では野々宮君に会うわけにゆかない。しかしきのう自分を捜していたことが気がかりになる。