Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate

Aozora Bunko

一〇

と電報のようなものを白紙へ書いて出した。三四郎は返事を書こうと思って、教師の方を見ると、教師がちゃんとこっちを見ている。白紙を丸めて足の下へなげた。講義が終るのを待って、はじめて返事をした。

「金は受け取った、ここにある」

「そうかそれはよかった。返すつもりか」

「むろん返すさ」

「それがよかろう。はやく返すがいい」

「きょう返そうと思う」

「うん昼過ぎおそくならいるかもしれない」

「どこかへ行くのか」

「行くとも、毎日毎日絵にかかれに行く。もうよっぽどできたろう」

「原口さんの所か」

「うん」

三四郎は与次郎から原口さんの宿所を聞きとった。

一〇

広田先生が病気だというから、三四郎が見舞いに来た。門をはいると、玄関に靴が一足そろえてある。医者かもしれないと思った。いつものとおり勝手口へ回るとだれもいない。のそのそ上がり込んで茶の間へ来ると、座敷で話し声がする。三四郎はしばらくたたずんでいた。手にかなり大きな風呂敷包みをさげている。中には樽柿がいっぱいはいっている。今度来る時は、何か買ってこいと、与次郎の注意があったから、追分の通りで買って来た。すると座敷のうちで、突然どたりばたりという音がした。