Classici giapponesi con furigana
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
Leggi 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.990 caratteri · 58 schermate
八
八
出平が船荷証券で持木屋から五千両借り、馬に積んで北の庄村の家へ届けたとき、入れ替わりに八百助の家から誰が袖のお杉さんが、とび出して来た。――この凄艶なる女は眼をつり上げ、血相を変えて怒っていた。
「なんという図う図うしい青二才だろう」彼女はつんぼ井戸のほうへ急ぎながら、歯がみをしてから呟やいた、「人にさんざん気をもませておいて、ゆうべは木偶を抱かせるし、今日はまたあんな、――ああくやしい、どうしてやろう」
今日はまた、――とはなにごとがあったのであろう、拝見する機会のなかったのは残念であるが、わざわざ本宅まで押し掛けながら、恐らくまた若衆人形と同一の手を食わされたに違いない。彼女は忿怒し瞋恚に燃えて小走りにゆく、……と、向こうにみえる百姓家の馬小屋の脇から、とぼんと出て来る三人の男が眼にはいった、おや見たような、――こう思って立ち止まると、相手もぎょっとして立ち止まった。
「権頭じゃないか」
姐さんは眼をみはってからこう叫んだ、
「杢に中将、――どうしたんだい」
「へえ、これはどうも、姐さん」
「姐さんじゃないよ」
こう云いながら姐さんは三人のほうへ寄っていった、