Classici giapponesi con furigana
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たんなやまのかい
丹那山の怪
江見 水蔭
Leggi 丹那山の怪 (たんなやまのかい) di 江見 水蔭 (えみすいいん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7168 caratteri · 15 schermate
ブルブルと身をふるわせたかと思うと、ワッとばかりに泣き入った。
その悲鳴の物すごさに、純之進は思わず声を立て、人を呼ぼうとした。けれども依然として声が出ないのであった。
高島田の娘は泣き入ってのみはいなかった。何か向うからも云いたそうにして、これも意の如く言葉が出ぬらしかった。
「旦那様……旦那様……」
呼び起してくれたのは三間ばかり隔てて寝ていた若党源八であった。そこまで聴こえる程の高声で純之進は唸されていたのであった。
三
夢であったと知れながらも、純之進は気味悪く感ぜずにはいられなかった。
「古い家には、能く人の唸される部屋があるもので、それは逆さ柱があるとか。窓の方角が、わるいとか。つまりなわめ筋、あるいはえうま道なんて申しまして、それに当ったところへ寝床を敷きますと、必ず唸されると申しますが」と若党源八は弱い音を吐くのであった。
「馬鹿な。左様な事があるものか」と云って純之進は笑って了った。
あくる日はいよいよ巡検の始まりで、先ず丹那村を庄屋その他の案内で見歩いた。
今は水田となっている元の丹那沼の中からは、時々神代杉を掘出すという事から始まって、土中から掘出し物をする話しが土地の者の口から出た。