Classici giapponesi con furigana
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しつらくえんさつじんじけん
二十世紀鉄仮面
小栗 虫太郎
Leggi 二十世紀鉄仮面 (しつらくえんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.489 caratteri · 77 schermate
すると、水面が下っただけ、木精蓮は空気中に突出する訳だろう。だから、朝になって花が閉じた時に、残った蛭が花弁に包まれてしまったのだ。だがそれは要するに、偶然現われた現象に過ぎない。堰板を開いた、犯人の真実とする目的と云うのは、玄白堂内の足跡を消すのにあったのだよ」
ああ法水は、その水流から、何を掴み上げたのだろうか?
「判らなくては困るね。犯人でなくても、誰しも水準の異なった二つの池があれば、それを利用するだろうからね。つまり、此の池の水面を僅か程下げてから、玄白堂の右手にある、池と池溝との間の堰を切ったのだ。すると、池の水が水面の低い池溝の中へ一度に押し出すので、岩の尽きた堂の左側に来ると、ドッと地上に氾濫する。その水勢が地上の細かい砂礫を動かして、堂の左側から胎龍の背後にかけて、そこに残されている足跡を消してしまったのだよ。所が、僕が巻尺を転がして試した通りに、堂内は右手から左手にかけて勾配がついているのだから、雪駄と日和の痕がある辺までは、水が届かない。そして、あの辺は早朝だけ陽差が落ちるので、そうして濡れた跡が、屍体を発見する頃には遂に乾いてしまったのだよ」