Classici giapponesi con furigana
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にじゅうしんぞう
二重心臓
夢野 久作
Leggi 二重心臓 (にじゅうしんぞう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.188 caratteri · 129 schermate
しかも俺にとっては実に致命的な意味を含んだ脅迫状が……」
「エッ……チョチョチョット待って下さい」
江馬兆策は感動のあまり真白になった唇を震わした。
「そ……それもホントなんですか」
「ホホホ……みんな真実なのよ。最初から……まだまだ恐ろしい事が出て来るのよ。これから……」
「……………」
「シッカリして聞いて頂戴よ。是非とも貴方に脚色して頂いて、大当りを取って頂きたいつもりで話しているんですからね」
「……………」
「……その脅迫状というのは、最初は極く簡単なものだったのです。一週間ばかり前に来たのは普通の封緘葉書で金釘流で『大正十年三月七日を忘れるな……芝居じゃないぞ』といっただけのものだったそうですが、それから後に二三回引続いて来たものは、相当長い文句のチャンとした書体で、とてもとても恐ろしい……私達の致命傷と云ってもいい文句でしたわ」
「……ど……ど……ドンナ……」
「ホホホ。アンタ気が弱いのね。そんなに紙みたいな色にならなくたっていいわ。あのオ……チョイト……ボーイさん。ウイスキー・ソーダを一つ……大至急……」
江馬兆策はホッと溜息をした。顔中に流るる青白い汗をハンカチで拭いた。