Classici giapponesi con furigana
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ごじゅうのとう
五重塔
幸田 露伴
Leggi 五重塔 (ごじゅうのとう) di 幸田 露伴 (こうだろはん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.316 caratteri · 111 schermate
其三十四
奴め、なぜその時に上人様が十兵衛来いとの仰せじゃとは云わぬ、あれあれあの揺るる態を見よ、汝までがのっそりに同化れて寛怠過ぎた了見じゃ、是非はない、も一度行って上人様のお言葉じゃと欺誑り、文句いわせず連れて来い、と円道に烈しく叱られ、忌々しさに独語きつつ七蔵ふたたび寺門を出でぬ。
其三十四
さあ十兵衛、今度は是非に来よ四の五のは云わせぬ、上人様のお召しじゃぞ、と七蔵爺いきりきって門口から我鳴れば、十兵衛聞くより身を起して、なにあの、上人様のお召しなさるとか、七蔵殿それは真実でござりまするか、ああなさけない、何ほど風の強ければとて頼みきったる上人様までが、この十兵衛の一心かけて建てたものを脆くも破壊るるかのように思し召されたか口惜しい、世界に我を慈悲の眼で見て下さるるただ一つの神とも仏ともおもうていた上人様にも、真底からはわが手腕たしかと思われざりしか、つくづく頼もしげなき世間、もう十兵衛の生き甲斐なし、たまたま当時に双びなき尊き智識に知られしを、これ一生の面目とおもうて空に悦びしも真にはかなきしばしの夢、嵐の風のそよと吹けば丹誠凝らせしあの塔も倒れやせんと疑わるるとは、ええ腹の立つ、泣きたい