Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

Leggi 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 80.178 caratteri · 159 schermate

Aozora Bunko

すると奥方様は彼女に向かい、百までの数字を書いてごらんと云われた。不思議なことと思いながら、云われるままに彼女は書いた。彼女は部屋へ戻ってから、そのようにして数字を書かされた者が、自分一人ではなくて大奥全体の女が、同じように書かされたということを聞いて、少しばかり不安に思った。

すると、間もなく奥方様のお部屋へ、また彼女は呼び出された。行ってみると何とその部屋には、奥家老の松浦頼母がいて、一葉の紙片を突き出した。昨夜女猿廻しのお葉へ、独楽のなかへ封じ入れて投げて与えた、自分からの隠語の紙片であった。ハ――ッとお八重は溜息を吐いた。

頼母の訊問は烈しかった。

「隠語の文字と其方の文字、同一のものと思われる、其方この隠語を書いたであろう?」

「書きましてござります」

「お館の外の何者かと謀り、お館の器類を、数々盗んで持ち出したであろう?」

「お言葉通りにござります」

「これほどの大事を女の身一つで、行なったものとは思われぬ、何者に頼まれてこのようなことをしたか?」

「わたくしの利慾からにござります。決して誰人にも頼まれましたのではなく……」

「黙れ、浅はかな、隠し立ていたすか! 尋常な品物であろうことか、代々の将軍家より賜わった、当家にとっては至極の宝物ばかりを、選りに選って盗んだは、単なる女の利慾からではない。