Classici giapponesi con furigana
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ぶっきょうじんせいとくほん
仏教人生読本
岡本 かの子
Leggi 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 124.886 caratteri · 246 schermate
世の中の事は何一つとして必ず何か用途を伴うもので、全く無駄というものはない。ふてて、ごろりと寝ていることさえ、身体の休養になってしまう。
消炭の屑は鍋釜の磨き料になるし、コロップの捨てたのは焼いて女の黛になるし、鑵詰の空鑵は魚釣りの餌入れになるし、玉子の殻はコーヒーのアク取りになるし、南瓜のヘタは彫って印になるし、首のもげた筆の軸は子供の石鹸玉吹きになるし、菜切庖丁の使い減らしたのは下駄の歯削りになるし、ズボンの古いのは、切って傘袋になるし――。青年は家の中を見廻して、あまり無駄なもののないのに圧迫を感じて居堪まれなくなって表へ飛び出しました。
青年はふとラジオ店の前に立ちました。某水産技師の講演放送中でありました。
「みなさん、あの何万粒の数の子の中から孵って鰊になるのは、ほんの二、三匹に過ぎないということを聴いて驚かれるかも知れません。自然は何という無駄をさせるだろうと。しかし、それは人間の頭の考えであります。自然にしたらば、はじめからその何万粒の無駄を承知で、その中のいくらかの鰊の生を世に送るのであります。もし何万粒の無駄がなかったら、そのいくらかの鰊の生もないのであります。