Classici giapponesi con furigana
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なんきょくき
南極記
久生 十蘭
Leggi 南極記 (なんきょくき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.753 caratteri · 35 schermate
落下する瀑布のような早さで南方へとどろき流れる奔流――これを潮流と呼んでいいものなら、想像どおり、船はたしかに潮流に乗っているのである。われわれはいま、なにかすばらしい知識――それを知れば、身の破滅になるような、かつて一度も人間どもに啓示されたことのなかったある秘密――に向って突き進んでいる。それはもう明白なことだった。この潮流はたぶん南極そのもののところへわれわれを運びつつあるのだろう。
おお、なんという怖しさ! 氷の壁は右に左にひらく。はるか高い天空の闇の中に頂が消えている巨大な海水の円形劇場の縁を、船はめざましい同心円を描きながらぐるぐる旋回している。自分の運命について、おもむろに思惟をめぐらすような時間は、もう残っていそうもない――円は急速に小さくなり、いま、われわれは遮二無二渦巻の真只中へ走りこんでいる。大洋と暴風が、咆哮し、怒号し、雷のように鳴りはためいている中へ――船はぶるぶるふるえている。おお神よ、そうして――沈んで行く!」
「アーサー・ゴールドン・ピム物語」では、ピムはジェーン号という船に乗って、氷に蔽われない大陸を発見するまで、大胆にどこまでも進む決心で南へ下って行く。