Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.558 caratteri · 480 schermate
駕籠に目鼻や似顔絵がけえてあるんじゃあるめえし、どっちを向くもこっちを向くもねえんだ。前へ向いていると思や前へ向いているし、うしろへ向いていると思やうしろへ向いているんですよ」
「ウフフ。ことしでおまえさんいくつにおなりだか知らねえが、いつまでたってもあんまりおりこうにゃならないね。目鼻こそついちゃいねえが、駕籠にはちゃんと前うしろというものがきまってるんだ。乗ったお客のよっかかりぶとんがついているほうがすなわちうしろ、息綱のぶらさがっているほうがすなわち前と相場がきまってるんだ。どうだい、あにい、それでも前うしろがねえのかい」
「ちげえねえ! あいかわらず知恵がこまけえね。だんなもことしでいくつにおなりだか知らねえが、いつまでたっても知恵にさびの浮いてこねえのは豪儀ですよ。そういえば、なるほどそのとおりなんだが、はてね? ええと、どっちへ向いていたっけな? ええと、待てよ。――いや、思い出しました、思い出しました。まさに判然と、いま思い出しましたよ。日本橋の駕籠はたしかに須田町のほうへ向いてましたぜ」
「須田町の駕籠は?」
「まさしく湯島のほうへ向いてましたよ」