Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

Leggi 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 221.941 caratteri · 435 schermate

Aozora Bunko

はええところ、なんとかしておくんなせえまし……ね! だんな! ね! だんな! 後生です……後生です!」

その涙に誘われて、名人の秀麗な面にも、滝のようにしずくが流れ伝わりました。しかし、――泣いている場合ではない! いたずらに嘆き悲しんでいる場合ではないのです。急いで両ほおをぬぐうと、ことばを改めて伊豆守にきき尋ねました。

「かわいそうに、どうしてまた、このようなことになりましたのでござります」

「それがいっこうにわからぬゆえ、なにはともかくと、急いでそのほうを呼び招いたのじゃ。じつは、そちたちも知ってのとおり、この屋敷から小石川のほうへ弓を届けるよう命じたのに、これなる辰がいつまで待ってもお矢場に持参せぬゆえ、ようやくご用を済まし、不審に思いながら、ほんのいましがた帰ってまいったところ、このような仕儀になっていたのじゃ」

「お耳に達しましたのは、いつのことにござります」

「帰邸いたすとすぐさまじゃ」

「たれがお知らせ申し上げたのでござります」

「あの者じゃ――ほら、聞こえるであろう。あれが知らせた当人じゃ」

いわれたそのことばとともに、そのとき、ぴたりと障子をしめきった暗い家の中から、急に情が迫りでもしたかのごとく、よよと忍び音に泣き忍ぶ人の声が漏れました。