Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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よしわらしんわ

吉原新話

泉 鏡花

Leggi 吉原新話 (よしわらしんわ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.157 caratteri · 75 schermate

Aozora Bunko

……

はたして、そうだ。

(何ですか、お婆さんらしい年寄が、貴下、物干から覗いていますよ。)

とまた一倍滅入った声して、お蘭さんが言うのを、お種さんが取繕うように、

(気のせいかも知れません、多分そうでしょうよ……)

(いいえ、確なの、佐川さん、それでね、ただ顔を出して覗くんじゃありません。梟見たように、膝を立てて、蹲んでいて、窓の敷居の上まで、物干の板から密と出たり、入ったり、)

(ああ、可厭だ。)

と言って、揃って二人、ぶるぶると掃消すように袖を振るんだ。

その人たちより、私の方が堪りません。で無くってさえ、蚊帳の前を伝わった形が、昼間の闇がり坂のに肖ていて堪らない処だもの、……烏は啼く……とすぐにあの、寮の門で騒いだろう。

気にしたら、どうして、突然ポンプでも打撒けたいくらいな処だ。

(いつから?……)

(つい今しがたから。)

(全体前にから、あの物干の窓が気になってしようがなかったんですよ。……時々、電車のですかね、電ですか、薄い蒼いのが、真暗な空へ、ぼっと映しますとね、黄色くなって、大きな森が出て、そして、五重の塔の突尖が見えるんですよ……上野でしょうか、天竺でしょうか、何にしても余程遠くで、方角が分りませんほど、私たちが見て凄かったんです。