Classici giapponesi con furigana
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かいそうろく
回想録
高村 光太郎
Leggi 回想録 (かいそうろく) di 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.774 caratteri · 71 schermate
よく角筈のアトリエに遊びに行ったものだが、私の帰国する前に帰って来ていて父の所にも時々訪ねて来たらしい。父も荻原君が好きで、よく手紙を貰ったようだ。父は、もうその頃は年寄で他にいろいろな傾向の新しい彫刻が出て旧弊な彫刻家になっていたが、荻原君は父を担いで、「あんなこまちゃくれた彫刻より先生のが一番いいんだ。」と言ったりして、父も悪い気がしないらしく、「守衛さんは若いけれどもいい。」と言っていた。
私は鑑査を受ける展覧会に出品しないという建前であった。自分が鑑査を受けるなら神様に受けるので、人間などの鑑査を受けるべきではないという言分なのである。私が公の展覧会に出品したのは、第一回の聖徳太子奉賛会の展覧会の時が最初であったが、この時は審査はなく、総裁が宮様で父も出品を勧めるので、老人の首と木彫の鯰とを出した。
「老人の首」というのは、此処へ乞食のようにして造花を売りに来る爺さんの顔が大変いいので、段々訊いてみると昔の旗本が落魄れたのであった。それを暫く来て貰ってモデルになって貰ったが、江戸時代の昔の顔をしているのに牽かれた訳だ。「鯰」は従来木彫の方では伝統的なものを何の考もなく拵えていたが、其の頃から私は木彫のああいう風なやり方を始めて、木彫に本来の自覚を持とうとしたのである。