Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

まだ若いです。働き盛りです……」

と昨日茶店の神さんが云った通りをそのまま図に乗って述べ立てた。後から考えると、これはむしろ人が自分を評する言葉で、自分が自分を吹聴する文句ではなかった。そこで原さんは少し笑い出した。

「それほどお望みなら仕方がない。何も御縁だ。まあやって御覧なさるが好い。その代り苦しいですよ」

と原さんは何気なく裏の赤い山を覗くように見上げた。おおかた天気模様でも見たんだろう。自分も原さんといっしょに山の方へ眼を移した。雨は上がったが、暗く曇っている。薄気味の悪いほど怪しい山の中の空合だ。この一瞬時に、自分の願が叶って、自分はまず山の中の人となった。この時「その代り苦しいですよ」と云った原さんの言葉が、妙に気に掛り出した。人は、ようやくの思いで刻下の志を遂げると、すぐ反動が来て、かえって志を遂げた事が急に恨めしくなる場合がある。自分が望み通りここへ落ちつける口頭の辞令を受け取った時の感じはいささかこれに類している。

「じゃね」――原さんは語調を改めて話し出した。――「じゃね。何しろ明日の朝シキへ這入って御覧なさい。案内を一人つけて上げるから。