Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
今では経験の結果、人間と畜生の距離がだいぶん詰ってるから、このくらいの事をと、鈍い神経の方で相手にしないかも知れないが、何しろ十九年しか、使っていない新しい柔かい頭へこのわる笑がじんと来たんだから、切なかった。自分ながら思い出すたびに、まことに痛わしいような、いじらしいような、その時の神経系統をそのまま真綿に包んで大事にしまって置いてやりたいような気がする。
この悪意に充ちた笑がようやく下火になると、
「御前はどこだ」
と云う質問が出た。この質問を掛けたものは、自分から一番近い所に坐っていたから、声の出所は判然分った。浅黄色の手拭染みた三尺帯を腰骨の上へ引き廻して、後向きの胡坐のまま、斜に顔だけこっちへ見せている。その片眼は生れつきの赤んべんで、おまけに結膜が一面に充血している。
「僕は東京です」
と答えたら、赤んべんが、肉のない頬を凹まして、愚弄の笑いを洩らしながら、三軒置いて隣りの坑夫をちょいと顎でしゃくった。するとこの相図を受けた、願人坊主が、入れ替ってこんな事を云った、
「僕だなんて――書生ッ坊だな。大方女郎買でもしてしくじったんだろう。太え奴だ。