Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Leggi 夜明け前 (よあけまえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 205.629 caratteri · 408 schermate
人殺しはもってのほかだという。しかし八沢の長坂の路傍にあたるところで口論の末から土佐の家中の一人を殺害し、その仲裁にはいった一人の親指を切り落とし、この街道で刃傷の手本を示したのも小池伊勢の家中であった。女は手形なしには関所をも通さないという。しかし木曾路を通るごとに女の乗り物を用意させ、見る人が見ればそれが正式な夫人のものでないのも彦根の殿様であった。
「あゝ。」と吉左衛門は嘆息して、「世の中はどうなって行くかと思うようだ。あの御勘定所のお役人なぞがお殿様からのお言葉だなんて、献金の世話を頼みに出張して来て、吾家の床柱の前にでもすわり込まれると、わたしはまたかと思う。しかし、金兵衛さん、そのお役人の行ってしまったあとでは、わたしはどんな無理なことでも聞かなくちゃならないような気がする……」
東海道浦賀の方に黒船の着いたといううわさを耳にした時、最初吉左衛門や金兵衛はそれほどにも思わなかった。江戸は大変だということであっても、そんな騒ぎは今にやむだろうぐらいに二人とも考えていた。江戸から八十三里の余も隔たった木曾の山の中に住んで、鎖国以来の長い眠りを眠りつづけて来たものは、アメリカのような異国の存在すら初めて知るくらいの時だ。