Classici giapponesi con furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Leggi 夜明け前 (よあけまえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 205.629 caratteri · 408 schermate
」と遠くの席から高い声で相槌を打つものもある。「おれもお前さまに賛成だ。徳川さまの御威光で、四艘や五艘ぐらいの唐人船がなんだなし。」
酒が回るにつれて、こんな話は古風な石場搗きの唄なぞに変わりかけて行った。この地方のものは、いったいに酒に強い。だれでも飲む。若い者にも飲ませる。おふき婆さんのような年をとった女ですら、なかなか隅へは置けないくらいだ。そのうちに仙十郎が半蔵の前へ行ってすわったころは、かなりの上きげんになった。半蔵も方々から来る祝いの盃をことわりかねて、顔を紅くしていた。
やがて、仙十郎は声高くうたい出した。
木曾のナ
なかのりさん、
木曾の御嶽さんは
なんちゃらほい、
夏でも寒い。
よい、よい、よい。
半蔵とは対い合いに、お民の隣には仙十郎の妻で半蔵が異母妹にあたるお喜佐も来て膳に着いていた。お喜佐は目を細くして、若い夫のほれぼれとさせるような声に耳を傾けていた。その声は一座のうちのだれよりも清しい。
「半蔵さん、君の前でわたしがうたうのは今夜初めてでしょう。」
と仙十郎は軽く笑って、また手拍子を打ちはじめた。百姓の仲間からおふき婆さんまでが右に左にからだを振り動かしながら手を拍って調子を合わせた。