Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
淡水は、線を以て描くに宜しく、鹹水は、色を以て現わすのが適当という程度のものか知ら……」
「一概には言えますまい――しかし、東洋画で、海を描いて成功したものはありませんですか?」
「ないことはないでしょうが、私はまだ不幸にしてブッつかりません」
「水の変化が、多過ぎるからでしょう」
「そうかも知れませんが、また変化が少な過ぎるとも言えます」
「あなたはいつぞや、小湊の浜辺に遊んで、海の水の変化と、感情と、生命とを、私に教えましたが、あなたたちの見る変化と、われわれの見る変化とは違います」
駒井甚三郎は、海水の一部分だけに眼を落してこう言うと、白雲は、やはり広く眼を注いだままで、
「どう違いますか?」
「われわれは、まず海の水の色を見ます。それも色の変化を、あなたのように感情的には見ないで、数学的に見るのです」
「色を数学的にですか……それは、どういう見方でしょう?」
「まず、水の色の変化が幾通りあるかということを調べます。手にすくい上げて見れば透明無色なる水も、ところにより、時によって、いろいろに変化があるのは誰も見る通り、それを学者は精密に調べて、十一の度数に分けていました」