Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Leggi 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.601 caratteri · 387 schermate
飛んでもない、人もあろうに宇津木兵馬は、この男の怨みの的となってしまいました。お豊と兵馬とは金蔵の留守の間に不義をした――と思い込んでしまった金蔵の怨みは、もう、誰がなんと言っても解けません。
「覚えてやがれ!」
この二月ほど真人間に返って、驚くほど堅気になり、真黒くなって家業に精を出し、和歌山へ行ったのも宿屋の実地調べで、これからますます家業へ身を入れようとした金蔵の心が、またもがらりと変って、もとの無頼漢になるのです。
兵馬が旅日記を書き終って、いま寝ようとするところへ、金蔵がやって来ました。
「御免下さい」
言葉が荒っぽく、眼の色が血走って立居が穏やかでない。
「これは、どなたじゃ」
「へえ、金蔵と申しまして、ここの亭主でございます。お初に――いや、さっき竜神の石段でお目にかかったのは、たしか、あなた様でございましたな」
「左様、貴殿が御亭主でござったか、留守中お世話になりました」
「時に、あなた様――」
金蔵は眼に角を立てて、口のあたりが引きつり、呂律が怪しい、よほど飲んで来たものです。
「お前様のおっしゃるには、わしの女房のお豊は、うちへ帰っているはずでございますが、まだ帰っておりませんぜ」