Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
「ほんとにお前は感心なところへ気がつきました。それは甲府詰といえばお旗本の運の尽きで、ああして我儘をしておいでなすっただけに、今はどんなに苦労をしておいでなさるかと、それを思えば、おいとしくてなりませぬ。お前がそう言ってくれるのが、わたしにとっては親身のように嬉しい。御威勢のよい時は、ずいぶん忠義を尽す人も多かったのに、今は江戸からお手紙を差上げる人もない御様子、それをお前が、自分から御奉公に上ろうと言ってくれる心が嬉しい」
お絹は喜びました。お松はなにも元の殿様に忠義を尽す心から言ったのではなかったけれど、お絹はお松の初心な気性を、ただ律義一遍にのみ受取ったから親身に嬉しく思ったのでした。そういうふうにすべて善意に受取られることは、お松の性質の一徳でありましたけれど、お絹もまたこのごろでは、物に感じ易くなってしまったのです。さほどでもないことを嫉ましく思ったり、その仕返しの種と思って、はからずお松と逢ってみれば、その言うことのしおらしさにいちいち感心してしまうようになったのは、ついこのごろのことでありました。
「わたしはもうこれまでの体だから、これからお前を養女にして、町人でいいから堅そうな養子を見立てて、小店の一軒も出すようにして、お前の世話になって畳の上で死ねるようになりたい」