Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
「そう、早くそうしておやり、お薬が要るならわたしのところまで取りにおいで」
「はい、有難うございます」
お君は馬上で聞いて、このお嬢様と呼ばれる人が、面付の怖ろしいのに似もやらず、情け深い人のように思われたのでホッと一安心です。
「それから幸内や、その馬を厩へ廻してしまったら、父様のところへ行く前に、わたしのところへ、ちょっとおいで」
「はい」
「嘘を言ってはなりませんよ」
お嬢様はこう言って、椿の花の枝を持ったままであちらへ行ってしまいました。嘘を言ってはなりませんよ、の一言に、針が含まれているようにお君の耳には聞きなされます。しかしながら、お君の胸は、「おかわいそうに……」という同情が無暗に湧いて来て、その呪われたお嬢様のために、ほとんど泣きたくなってしまいました。
二
お君は若い馬商人の幸内に引合わされて、女中の取締りをしているお婆さんに会いました。このお婆さんは幸内から委細の物語を聞いた上で、
「まずい物を食べてみんなの女中と同じように働いてもらいさえすれば、いつまでいても悪いとは申しません」
さしあたり、こう言われたことはお君にとって仕合せでありました。