Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
「えらい」
と言って米友を煽てた仲間体の男は、いい気になって、米友がいま持って歩いた床几の上へ腰を卸してしまい、
「兄い、睡気ざましに一口湿してみちゃどうだ、いい酒だぜ」
と言って、傍へ置いた貧之徳利を取り上げて少しく振って試み、それから懐中へ手を入れて経木皮包を一箇取り出しましたが、こんなことをしている間にも、どうやら外の通りを気にかけている様子であります。この男は仲間体に見えたけれども仲間でないことは、その人柄の示す通りであったが、事実もやはりその通り、これは師範役の小林文吾の変装でありました。
小林文吾は言葉も身ぶりも、やっぱり仲間そっくりで、徳利を振ってみて、懐中から経木皮包を取り出しました。
「兄い、うめえ肴があるから一口湿してみてはどうだい」
「俺らは酒は飲めねえんだ」
と米友は断わりました。
「そんなことを言わねえで、一杯つきあったらどうだい」
「酒は飲めねえんだ」
「そうかい、そりゃあせっかくだな」
と小林文吾が、多少気の毒そうに徳利を引込めたから、米友もそれに好意を表する気になりました。
「俺らは飲めねえけれど、お前、そこで飲むなら飲みねえ。ナニ構わねえよ、神様の前だってお前。