Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
だからお前、いま目刺を持って来るにしたところで、駿河の国から呼ぶんだぜ。これから駿河の海辺へ出るのには三十里からあるんだ、その間を生肴が通う時は半日一晩で甲府へ着くから大したものじゃねえか。その半日一晩で着いた生肴の方はなかなか俺たちの口にゃあ入らねえ」
といって小林文吾は、経木皮包を開いて火箸を横にしてそれを炙ろうとすると、見ていた米友が、
「おっと待ってくれ、酒はいいけれど肴の方はよしてもらいてえ、酒は神様も召上るけれど、まだ目刺を八幡様が召上ったという話は聞かねえからな」
「なるほど」
小林は米友の理窟に伏して、強いて目刺を焼こうともしません。
「このごろは世間が騒がしいからな」
ややあって小林は、何ともつかずにこんなことを言いました。
「ははは、世間が騒がしいというのは、あの辻斬のこったろう」
「うむ」
米友が存外平気なのを見て、小林は眼を丸くしました。
「十日ばかり前の晩にこの松山の向うで一人殺られたんだ、そいつが殺られた時は俺らは、まだこの八幡様へ奉公に来ていなかったんだ。この辻斬というやつは甲府に限ったことはねえんだ、江戸へ行ってみねえ、このごろはあっちこっちでずいぶん流行っていらあ」