Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate

Aozora Bunko

「はははは、二番の贋金使いの弥兵衛たらいう奴は、さすがに贋金でも使ってみようというだけあって話せる奴だわい、お寒いに御苦労さまでございますなんかと言って、袂の裾をふんわりと重くさせる奴さ。それに比べると武士上りは、いやに見識が高くって薬の利き目が薄いのは癪だが、それにしても御方便に、おれの持場はみんな客種が上等で仕合せだ」

提灯を持って、眠い眼をこすりながら立ち上り、

「いるかな」

御定例に提灯をかざして、一番の牢の内を覗いて見ました。

返事がしないのは、よく寝ている証拠でありましょう。牢番は頷いて第二番室の前、

「いるかな」

また御定例に提灯をかざし、格子の中を覗いて見ましたが、ここでもやっぱり返事がありません。

天下もあまり泰平過ぎると気味が悪くなるものです。いつも一人や二人返事をするはずのが、一番二番を通して一人も返事をする者がありませんから、牢番もあまりの泰平に拍子抜けがして、なおよく格子の間から覗いて見て、

「おや?」

と言って仰天しました。

この時分、牢屋の外も、同じように墨と胡粉で塗りつぶした夜の色で包まれていました。

「破牢、破牢、牢破り!」