Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate

Aozora Bunko

右往左往に人は飛んだけれど、たまたま行会えばこの少年たちのようなのや、かの子供を背負うたきちがいのようなのや、そうでなければ御同役の鉢合せのようで更に手ごたえがありません。

「いったい、こりゃ何というもんだ、煙のようでもあるし、霧のようでもあるし、靄がかかったようでもある、行く先行く先がボヤボヤとして、前へ出ていいんだか、後ろへ戻っていいんだかわかりゃしねえや、大方、雲が下りて来たんだろう、ここは山国なんだからな、四方の山から雲が捲いて来て、甲府の町を取りこめたんだ。暗えなら暗えで、我慢の仕様もあるけれど、暗えところへこんなものが舞い込んで来た日にゃあ、てんで提灯の火も見えやしねえ、お城の櫓がどの辺にあったんだか、その見当もつかねえんだ。こんな晩に牢破りをするなんというのは考えたもんだ、暴風雨の晩よりまだ始末が悪いやな、大手を振って眼の前を歩かれたってわからねえやな、逃げられる方もわからねえから逃げる方もわからねえんだ。こうして歩いて行くうちに、犬も歩けば棒に当るということがあるから、なんでもかまわねえ、ドシドシ駈けろ、駈けろ」

宇治山田の米友もまた、こんな口小言を言いながら、闇と靄の中の夜の甲府の町を、例の毬栗頭で、跛足を引いて棒を肩にかついで、小田原提灯を腰にぶらさげて走って行く一人であります。