Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
暗夜の宙に飛ぶ礫は聖人もまたこれを避けることができないはずであったけれど、幸いにして米友の投げた礫の的には、聖人も凡夫もいなかったと見えて、向う側の古池かなにかに飛んで行ってパッと水音を立てただけです。
礫は空しく飛んだけれども、
「合点だ!」
米友はけたたましく叫びました。叫ぶと共にその棒を一振りして水車のように廻し、
「危ねえものだが、その方はお手の物よ、餓鬼の時分からそれで飯を食っていたんだ」
水車のように廻した棒の七三のあたりへ、カッシと立ったのは刀の小柄であります。それを受けとめるべく米友は、前のような惨憺たる苦心に及びませんでした。南禅寺の楼門でする五右衛門の手裏剣を柄杓で受けた久吉気取りに、棒に食い付いた小柄を抜こうともせず、再び身を屈めて小石を拾いました。拾い取るとヒューと手の内から飛びました。手の内から飛ぶと、矢継早にまた拾いました。拾っては投げ、拾っては投げる米友の礫、それは上中下の三段から、槍を遣う如く隙間もなく飛ぶのでありました。
礫は隙間なく飛んだけれども、やはりその手答えはなくている途端に、
「破牢! 破牢!」
この声が闇を圧して物凄く響き渡ります。