Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate

Aozora Bunko

「闇と靄との中から不意に一頭の猛犬が現われて出て、我々には飛びかからず、あの贋金使いに飛びかかった、贋金使いも身の軽い奴であったが、あの犬には驚いたと見えて逃げたようだ、それを犬が追いかけて行ったきり、どちらも音沙汰がない、声を立てて呼ぶわけにはいかず、跡を追いかけるにもこの通りの闇、そのうち前後左右には破牢! 破牢! という捕手の声だ、それを潜って、やっとここへ忍び込んだけれど、これとても鮫鰐の淵の中で息を吐いているのと同じことだ」

「さあそれだから、いつまでもこうしてはいられぬ、まだ夜の明けぬうち、この靄と闇との深いうち、ここを逃げ出すよりほかに手段はあるまい。この場合ぜひもないから、この室に金銀があらば金銀、衣服があらば衣服、大小があらば大小、それらのものを借受けて出立致そうではないか」

「待て待て、外の様子に耳を傾けてみるがいい」

それで室内が森として静まると、外でする喧しい声が、鳥の羽音のように聞え出しました。それは能登守が前に聞いたのと同じく、この屋敷のまわりを走り廻る捕手の者が罵り合う声であります。それに加うるに、この屋敷の長屋に住んでいた者までが、起きて加わって罵り噪いでいる様子であります。