Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
そのうち大月の手前まで来ると不意に、
「どうか一足先においでなさいまし、私は少しばかり廻り道をして参りますから」
と言うかと思えば、がんりきはツイと横道へ切れてしまいました。お松と一緒に歩いている時は、そんなでもなかったけれど、一人で横道へ切れる時の足の早いこと、あ、と言う間もなくいずれへか姿を消してしまいました。
それから、お松はまた一人で歩いて行きました。この男は、確かに道中の胡麻の蠅というものだろうと思いました。飛んでもないものに附き纏われてしまったと、泣きたいにも泣けない心持で、心細い旅を歩きます。
笹子の山中で、右の男は道すがら、自分はこう見えても女に餓えているような男でないから、一人旅をなさるお前様を、取って喰おうの煮て喰おうのという了見はございませんと言った言葉を思い起しました。事実、あの男が自分を女と知った上で、無礼を加えるつもりならば、今までにその機会もあったろう。殊に昨夜の泊りで、わざと外してしまったのが不思議であるなどと、お松は考えて歩きます。
しかし、気味の悪い男は気味の悪い男である、どうしてもあの男と道づれの縁を切ってしまわねばならぬと思いました。