Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
お銀様は父の立去る後ろ影を、凄い面をして睨めていましたが、
「ええ、ようございますとも、出て参りますとも、幸内をつれてどこへでも、わたしは行ってしまいます、お父様のお世話にはなりませぬ、死んでも藤原の家の者のお世話にはなりませぬ」
お銀様は歯噛みをしました。その有様は、父に対して言い過ぎたという後悔が寸分も見えないで、なお一層の反抗心が募ってゆくように見えます。
「幸内や」
お銀様は、幸内の寝ている枕許へ膝行り寄って来ました。
「いま聞いた通り、わたしはここの家にはいないから、お前、少しのあいだ待っていておくれ、わたしはお前をつれて行くところを探して来るから待っておいで、今夜のうちにもお前をつれて出て行ってしまいたいから、わたしはこれから心当りを聞きに出かけます、お父様にああ言われてみれば、わたしはもう一刻もこの家にはいられない、お前もいられまい、誰がなんと言っても、わたしはお前を連れて出て行ってしまいます」
お銀様は、やはり歯噛みをしながらこう言って幸内の寝面をのぞいていましたが、すぐに立って箪笥をあけました。それで、あわただしい身ごしらえをはじめたところを見ると、この娘はほんとうにたった今この家を出かけるつもりでしょう。