Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
女だてらに負けてはいないで、武者振りついていました。
「あッ」
という声でお角は慄え上りました。
「百さん、どうおしだえ」
お角は我を忘れてがんりきを呼ぶ途端に、一人の覆面のために烈しく地上へ投げ出され、その拍子に路傍の石で脾腹を打ってウンと気絶してしまったから、その後のことは何とも分りません。
それからどのくらい経ったのか知れないが、お角は介抱される人があって呼び醒まされた時に、気がついて見れば、やはり覆面の侍が傍にいました。
しかし、同じ覆面の侍でも今度の侍は、前の覆面の侍とは確かに相違していることがわかります。人品も相違しているし、風采も相違していることがわかります。
「お女中、気を確かにお持ちなさい、お怪我はないか」
と背を撫でているのは、その人品骨柄のよい覆面の侍ではなくて、その若党とも覚しき覆面をしない侍でありました。
「はい、有難う存じまする、別に怪我はござりませぬ」
お角はすぐにお礼と返事とをしました。
「何しろ危ねえことでございます、血がこんなに流れているから、わっしどもはまた、お前様がここに殺されていなさるとばかり思った」
気味悪そうに提灯を突き出して四方を見廻しているのは、やはりこの人品骨柄のよい覆面の侍のお伴をして来た草履取の類であろうと見えます。