Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
こう言って竹の笠を傾げて、金助の面をジロリと見上げたのは、珍らしや宇治山田の米友でありました。しかしながら、金助は酔っていたせいかどうか、米友たることを知りません。だからその返答がグッと癪にさわったものと見え、
「おやおや、時と場合だから、貴様の方からあやまってやるんだって? ばかにするな、このちんちくりん」
金助は打ってかかろうとして拳を固めると、宇治山田の米友は一足後へさがって、そのまるい眼をクルクルとさせ、
「時と場合だろうじゃねえか、おいらはこうして俯向いて、草鞋の紐を結んで、笠をこうやって前に被っているから、向うは見えねえんだ、お前の方は、笠もなにも被らねえで、前からやって来るんだから、本当なら、おいらが突き倒されてしまうところなんだ、それを、危ねえ! と思ったから左へよけて、おいらの身体は無事だったが、お前は、そのハズミを食って、おいらの代りに前へ倒れたんだ、まあ怪我をしなかったのが仕合せだあな、勘弁しろ、勘弁しろ」
こう言って感心にも宇治山田の米友は、相手にしないで行き過ぎようとします。これは米友としては出来過ぎですけれども、金助は血迷っていて、この米友の出来栄えを買ってやる余裕がありません。