Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate

Aozora Bunko

十四

兵馬がせき込んで、お角は煙に捲かれます。

その時に思いがけなく、築墻の蔭から、

「宇津木様、早く行っておいでなさいまし、神尾の殿様のところは、わっしが引受けますから、ずいぶん御心配なく」

こう言ってのそりと出て来たのは、金助の声に違いありません。

「金助ではないか」

「へえ、金助でございます、おいやでもございましょうが、おあとを慕って参りました」

金助は相変らずしゃあしゃあとしたものであります。

「今、わたしにぶつかったのはお前さんかえ」

お角がこう言って咎めると、

「へえ、私でございます、飛んだ粗忽を致して申しわけがございません。実はその時、おわびを申し上げてしまえばよいのでございましたが、これには仔細がありそうでございますので、物蔭へ忍んで御様子を窺いましてございます」

十四

お角に代って染井の化物屋敷へ、神尾主膳を送り込んでその一間へ休ませた後、金助は次の間へ入って煙草をふかしています。

「なるほど、こいつは化物屋敷だ、これだけの構えに、主人のほかには人っ気が無えというのが全く人間放れがしている、何だかこうしているとゾクゾクして淋しくてたまらねえ、身の毛がよだつようだ。