Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
でもね、こうして拙い琵琶を弾いて歩きますと、人様が御贔負をして下すって、自分の暮らしには余るほどのお金が手に入るもんですから、それをみんな善いことに使ってしまいたいと、こう思っておりますんでございます」
「まあ、お前さんはなんという感心な人でしょうね、わたしなんぞも、早くそんな心がけになればいいんですけれど」
「世間のことは、なかなか思うようにはならないものでございますよ。そうして、あなたは鐘撞堂で、何を御商売になすっておいでなさいますね」
弁信はこう言って、お蝶にたずねました。
女は、その返答には困りました。
「そんなことは何だっていいじゃありませんか。それでもね、わたしはお前さんのような人は大好きなのよ」
ともかくも、ちょっと道ばたで行逢った人にしては、あまりになれなれしい物の言い方でありました。しかし、弁信は少しもその相手方を疑うようなことはありません。
「あ、鐘が鳴りましたね、あれは上野の鐘ですね」
弁信がたちどまって、鐘の音に耳を傾けるようでしたが、お蝶にはそれが聞えません。
「あなた、何を言ってるんです、鐘も何も聞えやしないじゃありませんか、上野の鐘がここまで聞えるものですか」