Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
敷きっぱなしにしてある蒲団の枕許に形ばかりの刀架が置いてあって、それに大小の一腰が置いてあります。
ふと米友は、その大剣の柄のところに触れてみて、
「はてな」
その刀を手に取って屏風の外れの明るいところへ持ち出し、柄に手を当てて撫でてみました。柄は水で洗ったもののようにビッショリです。
「おかしいぞ」
米友は暫くその刀を見ていたが、柄に手をかけて、引き抜いて見ようと意気込むところを後ろから、
「危ない、危ない、怪我をするからよせ」
手を伸ばして、その刀を取り上げたのは、いつのまにか後ろに立っていた竜之助でありました。
「は、は、は」
米友はなんとなくきまりの悪そうな笑い方をして引込みました。朝飯が済んでしまうと、竜之助は少しの間、日当りのよい縁側のところに坐って日光を浴びていましたが、また屏風の中へ隠れてしまいました。
米友は炉の傍で、大きな鉄瓶の中へ栗を入れて煮ています。栗を煮ながら眼をクリクリさせて黙然と考え込んでいると、
「友吉どの」
と言って屏風の中から、竜之助の声でありましたから、
「何だい」
「お前はたった今、この刀の中身を抜いて見たか」
「抜いて見やしねえ、抜いて見ようとしたところだ」