Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
八
それでも、あたい江戸へは行ってみたいよ。お嬢さんとこに、幾枚も江戸の景色の絵があるんだ、それで見て知っているけれどもね、綺麗なところだね。おばさん、ほんとうに連れてってくれるなら、あたい行ってもいいよ、おばさんとこに居候になっていてもいいよ」
八
「それというのはね、まあ、聞いて下さいまし。この間の暴風雨の晩のことでした、わたしが毎晩ああやって点けている高燈籠の火が消えてしまいました、どんなに風が吹いても、雨が降っても、消えないはずの火が消えてしまいました、あの火が消えたばっかりに、海で船が沈んで、多くの人が死にました、まことに申しわけのないことでございます」
盲法師の弁信はこう言って、その見えない眼から涙をポロポロとこぼして、口が利けなくなりました。
「弁信さん、そりゃ仕方がありませんよ、なにもお前さんが消したというわけじゃあるまいし」
「いいえ、いいえ、わたしが消したんですよ、決して、あの晩の暴風雨が消したわけじゃございません」
「だって弁信さん、お前がわざわざ消しに行ったわけじゃありますまい」
「いいえ、わたしの業が尽きないから、それで、あの晩に限って火が消えてしまったんですね、わたしが、少しでも人様の眼を明るくして上げようと思ってしたことが、かえって人様の命を取るようになってしまいました、怖ろしいことでござい