Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate

Aozora Bunko

「そうして今は何時だ」

「一番鶏が鳴きました」

がんりきは何か落着かないことがあるらしく、

「間違いはございませんが、念のためですからこれから私が、もう一ぺん峠の宿を軽井沢まで走って見て参ります」

「御苦労だな」

こうして、がんりきの百は得意の早足で、峠の宿の方へ向いて行ってしまいました。そのあとで南条は、五十嵐にむかい、

「こんな仕事には誂向きに出来ている男だ、何か、ちょっとした危ない仕事がやってみたくてたまらないのだ、小才が利いて、男ぶりもマンザラでないから、あれでなかなか色師でな、女を引っかけるに妙を得ているところは感心なものだ」

こんなことを言って笑っていると、五十嵐は、

「女によっては、あんなのを好くのがあるのか知らん、どこかに口当りのいいところがあるのだろう」

「当人の自慢するところによると、あの片一方の腕を落されたのも、女の遺恨から受けた向う創だと言っている。これと目星をつけた女で、物にならぬのは一人もない、なんぞと言っているところがあいつの身上だ」

この時分に峠の宿で、また鶏が鳴きましたけれども、夜が明けたというわけではありません。

いわゆる、碓氷峠のお関所というのは、箱根のお関所と違って、それは山の上にあるのではなく、峠の麓にあるのであります。