Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate
しかし、下手も上手も、共に一時で、お角の見込み通り大事に至らずして、やがて、この活劇もおしまいになり、千秋楽のお景物として、一つの愛嬌を添えたもののように消滅してしまったのは、いよいよ市が栄えたと申すものです。
それをお角はひややかに笑い捨てて、ざっと場内をめぐり歩くうち、ふと、例のところへ来て、場外を見ると、以前にながめた通り、そこは回向院境内の墓地であります。
お角のながめることがもう少し早かったならば、そこに以前の一行がおまいりに来ていて、ことにその中には、お角の熟知しているムク犬も加わっていたことだから、お角とてもだまってはおれなかったろうが、この時はもう一行は去って、誰もおらず、ただ香のけむりが断々としてのぼっていることによって、お角はまたあのお墓へ誰かおまいりに来たなと思っただけでした。
あのお墓へは、駒井甚三郎もお参りに来たし、今日もまた誰かお参りに来たようだが、いったい誰の墓なんだろうと軽くお角の頭にのぼっただけで、それ以上には想像を逞しくすることがありませんでした。
もう少し深く突きとめて、これが、嘗ては自分の下に使ったことのある、お君という薄命な娘の、地上における存在の記念であると知ったならば、お角とても、そのままにはしていなかったろうに――