Classici giapponesi con furigana
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Leggi 妖虫 (ようちゅう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.290 caratteri · 239 schermate
第三の犠牲者
彼は洋服紳士に夕刊を渡すと、コソコソと群集の間をすり抜けて、いつか人垣の外へ出ていた。そして、ショウ・ウインドウの鎧戸が閉まる頃には、何かニヤニヤと薄笑いを浮べたかと思うと、小走りに暗い横町へ、逃げるように消えて行った。インバネスの袖をヒラヒラと、夕闇の蝙蝠みたい、不気味にひらめかせながら。
第三の犠牲者
銀座街頭ショウ・ウインドウ死体陳列事件が犯罪者の虚栄心からであったとすれば、彼は完全に成功したと云っていい。なぜと云うのに、その事があってから、妖虫殺人団の名は、一躍して全国的になったからだ。その翌日は、九州や北海道の地方新聞さえ、社会面の殆ど全面を、この銀座の怪事件に費した。人々はこの怪談めいた出来事に、賊の所業を憎むことも忘れて、あきれ返ってしまった。これが一体人間の仕業であろうか。鬼ではないか、魔ではないかと、心の底から震え上らないではいられなかった。当の相川家の驚愕と悲歎は云うまでもなかった。殊に、不思議な因縁で妖虫事件に結びつけられている相川守青年は、愛する妹を失った悲しみ以上に、戦いに敗れたものの、名状し難い悲憤を感じた。悪魔を八裂きにして、その肉を啖ってもあきたりない憤を感じた。