Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Leggi 妖虫 (ようちゅう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.290 caratteri · 239 schermate

Aozora Bunko

それに、妖虫の姿は仮令縫いぐるみであっても、その中に隠れている人間こそは、蠍にもまして恐ろしい悪魔なのだ。

見つめていると、巨大な虫は、ソロソロと地上を這い始めていた。ニョッキリと聳えた二本の螯は、案の定庭の隅の物置小屋に向っている。彼は先ずそこの梯子を取り出す積りであろう。

守は少なからず躊躇を感じた、いっそ手捕りにすることは諦めて、こいつのあとを、気長に追跡してやろうかとも考えた。だが、敵は縫いぐるみに包まれた不自由な身体だ。力では引けを取らない自信がある。それに、万一の場合には大声にわめきさえすれば、邸内の書生などが助けに来てくれるであろう。この絶好の機会を、見す見す退がすのは如何にも残念だ。

「エエ、やっつけろ!」

彼は咄嗟に決心すると、スックと立上り、黒い風の様に駈け出して、物をも云わず怪物目がけて飛びかかった。

幸、相手は腹這いになっている。彼はその上に馬乗りになって、グイグイと圧えつけさえすればよかったのだ。

彼の計画は見事に成功した。巨大な蠍は、彼の下敷になって、奇妙なうめき声を発しながら、もがいた。もがきにもがいて、怪物はやっと身体の向きを仰向きに変え、例の螯を振って抵抗した。