Classici giapponesi con furigana
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Leggi 妖虫 (ようちゅう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.290 caratteri · 239 schermate
この犯罪の裏面には、世間が知っているよりも、更に一層恐ろしく、無気味なものが潜んでおるのです」
老探偵は今や一座の立役者であった。非難、攻撃のまなざしは、いつの間にか、驚異、讃嘆のそれに変りつつあった。もう誰も物を云うものはなかった。人々は云い知れぬ不安と焦躁の内に、怪老人の口元を見つめるばかりであった。
老探偵は、一種奇妙な雄弁を以て、彼の推理を語りつづけた。
「この犯罪には最初から、何とも云えん変てこな、薄気味の悪い事柄がつき纒っておった。谷中の空家で女優春川月子が惨殺された折、空家の床の間に、大型支那カバン程の木箱が安置してあって、血みどろな殺人遊戯が行われている最中に、その木箱の中から、嗄れた声で下手な安来節を歌うのが聞えて来た。これは相川守君が見聞された所であって、無論皆さんも御承知の事と思います。
ところで、それと同じ様な事が、二度目も起っていますのじゃ。相川珠子さんが誘拐されて、三河島の見世物小屋へ連れ込まれた。あの時わしと守君とは、うまく敵の自動車の運転手に化て、珠子さんを取戻す予定で、九分通りまで成功したのじゃが、見世物小屋の中に置いてあった張り子の岩が、知らぬ間に這い出していた。