Classici giapponesi con furigana
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つまのざ
妻の座
壺井 栄
Leggi 妻の座 (つまのざ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 82.695 caratteri · 165 schermate
みめ美しく生れない女の、口に出せぬ悲しみというものを、美しく生れた人たちは知っているであろうか。形の上での美しさを得られぬ不幸を、目に見えぬものの上で築こうとする、美しからぬ女の努力、しかもその努力は常に買われること少く、美しいものを好む人間の自然な心の前に、へり下る。そのへり下る心をさえも、受けとってもらえぬ悲しみ。それを貞子はその怜悧さで分ってくれるだろう。だが分っている貞子自身もその美しさが文名と共に聞えている作家なのであった。その美しい貞子が感嘆するほどの妻を失った野村の気持を、貞子は又別の気持で思いやらずにいられないのではないだろうか。だがミネの平凡な常識は、野村の置かれた不幸を一つの条件として、女の器量の悪さと差引こうとするようなところがあった。それは野村の妻や子供を見たことのないミネの向うみずだったかも知れない。田舎者のように気の利かぬ感じの野村、口ではいえず、手紙にかいてよこした野村の小気さ、それがミネの心をひいた。
「私から話してもいいけれど、それでは断る場合に野村さんが辛いと思うの。だから、あなたから話してよ。」
そこまで考えてミネは貞子にたのんだのであった。