Classici giapponesi con furigana
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あんごこうだん
安吾巷談
Leggi 安吾巷談 (あんごこうだん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.016 caratteri · 48 schermate
「スリの現行犯だから、ブチこんどくれ」
とアンチャン連、凄い目をギロリとむいて、終電に心せかれるのか、さッさと行ってしまった。酔っ払いがすぐ釈放されたのは言うまでもない。
なんのために交番へひッたててきたのか、このへんのところはマカ不思議で、わけが分らない。アンチャン方も、何が何やら無意識に、ただもうアロハ的本能で行動していらッしゃるのかも知れない。サッと上衣をぬぎかけたり、サッと逃げたり、アロハ本能というもので、相手が一文にもならなかったり、その場に限って自分に弱味がなかったりすると、相手を交番にひッたてたくなるというアロハ本能があるのかも知れない。
交番へ借金にきた変り種もあった。
さしだした名刺をみると、京橋の何々会社の取締役社長とある。なるほど、しかるべきミナリ、四十ぐらいの苦味走った伊達男である。
この先生はいくらかのアルコールがまわって心浮き浮きしているらしいが、言葉も足腰もシッカリして、酔態は見られない。この先生の出現は、時に深夜一時、終電もなくなり、さすがの新宿駅前も、まさに人影がとだえようとしている時刻だ。
「実はね。私は新宿ははじめてなんです。